PR

着物の種類総まとめ!12種類の着物と着用シーン

着物の基礎知識

着物は日本の伝統的な民族衣装であり、その装いには品格を感じます。それゆえに種類もさまざまでTPO(時・場所・場合)によって選ぶべき着物は変わってきます。

はじめて着物を選ぶときに、どの種類を選べばいいのか悩む方も多いでしょう。

この記事を読んでわかること

・着物の種類
・着物の格式
・シーン別におすすめな着物

今日は、着物の種類を「フォーマル・セミフォーマル・カジュアル」の格式別に12種類解説します!趣味で楽しむ着物や、入学式や結婚式などのTPOに合った着物はどれなのか、着物の種類で悩んだら参考にしてみてくださいね。

着物の3つの格とは?

洋服にもフォーマルやカジュアルな装いがあるように、和服にも格があります。一般的な格と着物の種類をまとめました。

第一礼装(フォーマル)の着物は、冠婚葬祭に着ることが多いです。

【第一礼装(フォーマル)】
  • 振袖(ふりそで)
  • 留袖(とめそで)
  • 喪服(もふく)

準礼装(セミフォーマル)は、入学式や友人の結婚式などに着ていくことのできる着物です。洋服でいうところの、セレモニースーツやパーティードレスのような感覚かもしれません。

【準礼装(セミフォーマル)】
  • 訪問着(ほうもんぎ)
  • 付け下げ(つけさげ)
  • 色無地(いろむじ)
  • 江戸小紋(えどこもん)

おしゃれ着(カジュアル)の位置付けとなる着物は、お花見や観劇などの気軽なお出かけにピッタリ。コーディネートの自由度も高いので、着物初心者さんでもはじめやすい種類の着物です。

【おしゃれ着(カジュアル)】
  • 小紋(こもん)
  • 紬(つむぎ)
  • 木綿(もめん)
  • ウール
  • 浴衣(ゆかた)
【季節別】着物の種類 〜袷・単衣・夏物〜(準備中)

第一礼装(フォーマル)な3種類の着物

着物は種類によって「格式」が異なります。着物教室こころでは、フォーマルな着物の格式を「第一礼装」と表現します。着物教室によって、最も格式高い礼装として「最礼装」などと表現されることも。

「第一礼装」は最も格式が高く、慶事の礼装である「留袖」や「振袖」が当てはまります。また、弔事の際の「喪服」も第一礼装です。

着物の種類の特徴や着用シーン、着こなし方について紹介します。

<振袖>未婚者の第一礼装

未婚女性の第一礼装は振袖です。成人式で着用する女性も多いですね。

振袖の特徴は、なんといっても袖の振りの長さです。袖丈にも種類があり、最近の成人式は大振袖が人気のようです。

くみ
くみ

母の成人式の時代は、中振袖が多かったみたいです!

振りの長さには流行があるようですね

生地には縮緬(ちりめん)や綸子(りんず)などの光沢のあるものや、地紋に吉祥文様を織り出したような高級感のあるものが多いです。模様にも縁起のいいものがあしらわれており、艶やかで華やかな印象が感じられるでしょう。

<留袖>既婚者の礼装

留袖は、既婚者の第一礼装です。留袖には「黒留袖(くろとめそで)」「色留袖(いろとめそで)」があり、黒留袖は既婚者のみが着用できます。色留袖は地色が黒以外の留袖のことをいい、既婚者も未婚者も着用できます。

・黒留袖:既婚者の第一礼装
・色留袖:既婚者も未婚者も着用可能

留袖の特徴としては、裾(すそ)の部分にのみ模様があることと、袖の振りが小さいことが挙げられます。また「五つ紋」とよばれる、着物に家紋が5つ入っている留袖が第一礼装であり、紋なし・一つ紋・三つ紋は準礼装となります。

原則として既婚女性は、とくに近しい身内の結婚式には「五つ紋の黒留袖」を着用します。ただし、実際の結婚式では新郎新婦の親だけが黒留袖を着用することも多いようなので、あえて黒留袖を選ぶかは親族で相談するといいかもしれません。

頻繁に着ない着物は、レンタルで用意するのもおすすめです。

<喪服>近しい親族の弔事に

正式な和装の喪服は、五つ紋付き黒の喪服に黒の帯や小物を合わせます。現代では、格式が高いと感じる人も多いようで、故人のとくに近しい親族が着用するもの、と考えているケースも多いようです。

喪服の着付けのポイントは、何事も控えめな装いとすることです。衣紋をあまり抜かない、半衿の出し具合は普段より少し控えめ、お太鼓は低めの位置で小さめに、などを意識するといいでしょう。

正式な黒喪服とは別に、略式の喪服もあります。その場合は、五つ紋の着物に黒の帯や小物を合わせます。着物の種類は、暗めで地味な色の色無地や江戸小紋とすることが多いです。

準礼装(セミフォーマル)な4種類の着物

第一礼装の次に、準礼装(セミフォーマル)とされる種類の着物があります。着物教室によって、「略礼装」などと表現されることもあるようです。

<訪問着>華やかな絵羽模様

訪問着は、色留袖の次にフォーマルな準礼装といわれる種類の着物です。友人の披露宴やパーティー、お見合いや結納、お茶会や子供の行事などのさまざまなシーンで未婚・既婚を問わず着用できます。

訪問着の特徴は、絵羽模様(えばもよう)と呼ばれる柄付けです。肩から胸や袖、裾にかけて、縫い目がある箇所も一枚の絵のように繋がって柄が入っています。

生地の色や模様の種類が多く、帯や小物との組み合わせでTPOに合わせて幅広く楽しめます。

<付け下げ>訪問着より少しシンプル

付け下げは、フォーマルな着物の中でも控えめな柄付けであることが特徴です。訪問着と種類の区別が難しいといわれることが多いですが、着物の格としては訪問着と同格または訪問着よりも軽い準礼装と考えられるでしょう。

付け下げと訪問着の違いは柄をつけるタイミングにあります。付け下げは反物(たんもの)の状態で柄が入っており、訪問着は仕立ててから柄付けをするのが一般的です。

<色無地>シンプルで上品

色無地とは、その名の通り柄が入っていない染めの着物のこと好みの色を選んでシンプルに着こなすことができる着物の種類です。帯や小物の合わせ方がポイントとなるでしょう。

地紋や紋の数などによって、気軽なお出かけから改まった席まで幅広く着用できます。「地紋があり、五つ紋」の色無地は礼装用に。「地紋なしの縮緬生地に一つ紋や紋なし」の色無地はカジュアルな装いになります。

紋の数によって変わりますが、暗い色の色目であれば、お葬式やお通夜にも着用可能です。明るく柔らかい色目は、子供の七五三や行事にもおすすめです。シンプルな着物なので、帯や小物のセンスでコーディネートが決まりますね。

<江戸小紋>細かい柄が全体に入っている

一般的にはカジュアルな着物とされる小紋ですが、「江戸小紋」はカジュアルな着物のなかでも格式が高いとされていて、紋付の江戸小紋なら準礼装として着用できます。

江戸小紋は、江戸時代の大名が正装として身につけていた着物が発祥と言われており、遠目で見ると無地に見えるような細かい模様が特徴です。模様には、あられや鮫、桜などさまざまな種類があります。

おしゃれ着(カジュアル)な6種類の着物

おしゃれ着(カジュアル)として、普段着物としても親しまれている種類の着物を紹介します。

「初めて着物を着たい!」「普段着として楽しめる着物の種類は?」と思ったときにおすすめの着物の種類について紹介していきます。

冠婚葬祭などの改まった席では格式や着物のルールに気をつける必要がありますが、カジュアルな装いの着物は自分好みに気楽に楽しみましょう!

<小紋>全体に細かい柄がある

小紋は着物全体に細かい模様が入っている着物のことです。おしゃれ着物の中でも初心者におすすめの種類です。

産地によってさまざまな技法があり、京小紋は京都で広まった小紋で型染めと京友禅の技術が合わさっています。模様が大きめで、華やかな印象を与えます。加賀小紋は石川県の加賀友禅がベースとなっており、立体的に見せる「ぼかし」の技法などが特徴です。

<紬>産地によって特徴的な絹織物

紬とは、日本各地で織られている絹織物です。有名な紬には、大島紬(鹿児島)・結城紬(茨城県)・牛首紬(石川県)などがあります。

紬糸は蚕の繭を紡ぎ出してできています。紬の生地は、使い込むほど柔らかく扱いやすくなる絹の性質や、ほどよい光沢が魅力です。

紬糸を先染めして織るのが特徴です。色落ちや傷みに強いので、おしゃれ着としておすすめです。

<木綿>Tシャツ感覚で着やすい

木綿でできている着物は、基本的に単衣(ひとえ)仕立てになることが多いです。Tシャツなどの洋服にも木綿が使用されているように、メリットは家庭で洗濯ができて肌に優しく安価なことがあげられます。

デメリットとして、しわになりやすかったり洗濯で縮みやすかったりするので、洗濯方法や管理には注意が必要です。

木綿着物には、「絣(かすり)」と呼ばれる種類があります。日本三大絣の一つ、久留米絣は小説家の太宰治が好んで着用していたそうです。糸束を縛って染色したものを織る製造方法です。

<ウール>昭和中期に流行

昭和中期に流行したウールの着物。羊毛で作られており、単衣(ひとえ)で仕立てられています。ウールセーターなどと同じように、オシャレ着洗濯が可能で、しわになりにくく水にも強くて丈夫です。

春・秋・冬に渡って着られますが、厚手のウールは寒い時期に、サマーウールは少し暖かい時期に着用するといいでしょう。

最近はウールの着物をあまり見かけません。それは、虫食いで穴が開いてしまいやすいからかもしれません。ウールは保管方法に注意が必要です。防虫剤などを使用して虫に食われないようにしましょう。

<浴衣>夏祭りの定番

浴衣はもともと、「湯帷子(ゆかたびら)」と言われる着物で、江戸時代には湯上がりに着ていました。部屋着としての着物でしたが、現在では夏祭りや花火大会の外出着としてポピュラーな着物の種類となっています。

元々は湯上がりに着ていたため、生地が薄いのが特徴です。

夏祭りなどで着用する際は、足袋を履かずに下駄のイメージがあるかと思います。しかし、長襦袢を着て、お太鼓の帯や足袋、草履を合わせる着こなしをすることで、木綿の着物と同じように着用できます。

【シーン別】着物の種類とコーディネート

いざ着物が必要となった際には、TPOに合わせてふさわしい着物コーディネートをしたいですよね。とくに、改まったような式典では、着物のルールに合った着こなしが求められます。

よくあるシーンごとにおすすめの着物の種類とコーディネートや注意点についてまとめたので参考にしてみてください。

結婚式・結婚披露宴

◎ 振袖、留袖

◯ 訪問着、付け下げ、色無地

友人の結婚式にお呼ばれした際に、未婚の女性は振袖を着用することができます。既婚者であれば、留袖や訪問着がいいでしょう。

花嫁や親族よりも派手にならない程度に、お祝いの場にふさわしい華やかな装いがおすすめです。豪華な袋帯やヘアセットにもこだわりたいですね。

近い親族の結婚式であれば、既婚者は黒留袖が最も格式高くなります。

成人式

◎ 振袖

成人式は奈良時代から続く、女性の「裳着(もぎ)」という儀式が由来となっています。大人として認められる式典なので、未婚女性の第一礼装である振袖で出席します。

近年は、振袖一式のレンタルが主流となっています。豊富なラインナップから自分の好きな色、好きな柄の振袖を選ぶことができます。柄にも古典柄やモダン柄などの種類があり、縁起のいい吉祥文様には意味もあるのでチェックしてみてください。

くみ
くみ

私の親友は、お母さんの振袖を着ていました!

お母さんの愛や想いも感じられて、濃いブルーの振袖はとっても素敵でした♪

帯は金銀のあしらわれた豪華な袋帯で、華やかな飾り結びが合うでしょう。1月の寒い時期の成人式では、寒さ対策としても白くふわふわのショールをつけるのが一般的ですね。

お葬式

◎ 喪服、色無地(五つ紋付、地味な色)

◯ 小紋(江戸小紋の五つ紋付)

とくに近い親族は喪服の装いがいいでしょう。色無地や小紋の場合は、礼装として紋付きの着物としてください。

小紋の柄は、鮫、角通し、行儀の三役など控えめな柄であれば色喪服の代用になります。

披露宴・パーティー・式典

◎ 振袖、色留袖、訪問着、付け下げ、色無地

◯ 江戸小紋

和装の格式に悩むような会場は、洋装と同様に、その場にふさわしい装いを意識してみてください。

どれくらいの格式が求められているのかを考えると、決めやすいでしょう。また、主催者の立場を考えながら、周囲に浮かないようなセレクトをしてみてください。

もし、直接主催者に聞けるようであれば、聞いてみてもいいかもしれません。

子供の入学式・卒業式

◎ 訪問着、付け下げ、色無地

「紋付き」だとより格式高く、「紋なし」だとカジュアルになります。基本的に半衿や足袋は白、帯は袋帯を合わせましょう。

子供が主役になるので、華美な装いにならないように意識しつつも、上品な華やかさのあるコーディネートがおすすめです。明るいやわらかな色合いがおすすめです。

気軽な外出(ショッピングなど)

◎ 小紋、紬、木綿、ウール

◯ 付け下げ

合わせる帯はカジュアルな名古屋帯か、オシャレ着用の袋帯(金銀があしらわれていない)がおすすめです。場所によっては半幅帯でも問題ありません。

時期や外出先に合わせて、コーディネートを楽しみましょう。日常的に着物を楽しめるようになってくると、半衿を作ってみたり、足袋ソックスを履いてみたり、自分らしく楽に過ごせる装いにも挑戦してみてください。

夏祭り・花火大会

◎ 浴衣

浴衣の下は、長襦袢(半衿)はつけずに足袋も履かずに下駄で合わせるのが一般的です。帯は半幅帯(幅が約16センチほど)や兵児帯、作り帯などを合わせます。

浴衣は生地が薄いので、透け対策も重要です。

初詣

◎ 訪問着、付け下げ

◯ 色留袖、振袖、色無地、小紋、紬、木綿、ウール

大きな神社への初詣、親族の集まりや挨拶回りの際には、訪問着や付け下げであれば改まった席にも合うでしょう。

帯や小物の合わせ方で格の調節ができるといいですね。

まとめ

たくさんの着物の種類を紹介しました。日常生活で着物に触れることが少なくなった現代において、いざ着物を着ようと思った際にどれを選べばいいのか悩むことは多いです。

着物の種類には格があり、シーンによってふさわしい着こなしをする必要があります。格式高い必要がある場では、ちぐはぐな着こなしをしていると自分も周りも不愉快に思う状況が生まれてしまうかもしれません。

基本的な着物の種類とシーンごとの着こなしを覚えて、着物を楽しみましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました