夏は、花火大会や盆踊りなどのイベントで「浴衣を着たい!」と思う方も多いでしょう。浴衣の着付けは初心者にも簡単です。しかし、浴衣はそれだけでは着ることができません。
今回は、最低限のアイテムとして「浴衣・腰紐・帯」の3アイテムで簡単に浴衣を着る方法を写真と動画付きで紹介していきます。腰紐がない方には、代用品として家にあるアイテムで着られる方法もお伝え!
初心者でも浴衣を一人で着るのは、そんなに難しくありません。初めてでも簡単に、そしてきれいに着られる基本の着付けのポイントがあります。
この夏は、お気に入りの浴衣を可愛く着こなして、涼しげな浴衣美人を目指しましょう。
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浴衣の着付けの“基本”を知っておこう
現代の日本人の服装といえば、洋服が一般的です。昔と比べて日常で着物を着る人が少なくなってきました。着付け初心者でも手軽にチャレンジできるのが浴衣の良さです。
しかし、いくら簡単とはいえ、浴衣を初めて着るときには疑問も生まれるでしょう。
ここでは、着付けの注意点や知っておきたいことを紹介します。
着付けは「右前」
着物を着付けるときは、相手から見て「右前」を意識してください。「左前」は死装束の着方なので、日常で行うと縁起が悪いと感じる人も多いです。
着物を着たときに、上に重なる着物の部分を上前(うわまえ)と言います。下になる部分が下前(したまえ)です。
相手から見たときに右の衿元(えりもと)が上に重なっている状態が正解になります。「y」の字に見えるかどうかでも判断できますよ。
浴衣は透けやすい
浴衣は普通の着物と比べて生地が薄く、下着などが透けやすいです。
下着の色や柄、ラインが見えやすいので、着物用の下着である「肌襦袢と裾よけ」やワンピースタイプの「浴衣スリップ」などの着用がおすすめです。
年に数回の浴衣のために、わざわざ和装下着を購入したくない方は、ブラトップやスポーツブラ、ナイトブラなどの代用がおすすめです。下は、ステテコやペチコートが代わりになります。
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浴衣に合わせる帯や履物
着物の帯には格式があります。カジュアルな装いの浴衣には、半幅帯(はんはばおび)や兵児帯(へこおび)がいいでしょう。最近は、既にリボンの形になっている作り帯も浴衣とセットで販売されていることが多いですね。
履物は、草履よりもカジュアルな下駄だと浴衣にピッタリ。下駄の場合は、足袋は履かずに、素足に下駄を合わせるのが一般的です。
着付けに便利なアイテム
一般的な浴衣の着付けで必要なアイテムや、あると便利なアイテムについて紹介します。
初心者でも揃えやすい代用アイテムも紹介します。
タオル(1本)
ウエストがくびれている方は、タオルで厚みを出して寸胴体型になるように補正します。
補正することで、見た目もよくなり、着崩れしにくくなります。
伊達締(1本) ※今回の着付け手順では使用しません
衿合わせがずれないように留めるのが伊達締です。着物を着るときには、長襦袢と着物で使用するので2本必要になります。
腰紐(2本) ※今回の着付け手順では1本でできる着方を紹介します
一般的に浴衣を着るときは、腰紐を2本用意します。ウエスト用と胸紐に使用します。
腰紐の素材には、滑りにくく柔らかなモスリン紐が主流です。ほかにも、ポリエステルの腰紐や、腰紐の代わりに、ウエストベルトやコーリンベルトを使用する着方もあります。
帯板(1枚)※今回の着付け手順では使用しません
帯板を帯の間に差し込むことで、帯のシワを伸ばしてすっきり見せます。帯幅にあった帯板がおすすめです。夏用にメッシュ素材の帯板などもあります。
市販のものがなければ、厚紙などで代用しても構いません。
浴衣の簡単な着方手順【腰紐1本使用の場合】
浴衣は素材が綿や麻であることから、生地自体がすべりにくく初心者でも着やすい着物と言えます。
通常は腰紐で腰回りと胸下をとめて浴衣が着崩れないようにしますが、軽くてすべりにくい生地なので、最低限の腰回りをとめる腰紐1本で浴衣を着ることができます。
今回は、腰紐1本を使用する簡単な浴衣の着付け手順を紹介していきます。
\動画で簡単!3分で着られる「腰紐1本」の浴衣の着付け/
浴衣を着る前の補正
まずは、体を寸胴体型に近づけるように矯正をします。若い女性で多いのは、ウエストのくびれにタオルなどを巻いて厚みを出す補正方法があります。
しっかり厚みを出すことで、帯がきれいに結びやすくなりますよ。
浴衣の着方① 浴衣をはおる
左右の衿を両手に持ち、浴衣の背中心(背縫い)がまっすぐ背中を通るように合わせます。
浴衣の着方② 裾(すそ)の長さを決める
左手で上前、右手で下前の衿先15cmくらいのところを持ち、腕を前に伸ばします。
少しずつ腕を下ろしながら裾を調節します。裾はくるぶしにかぶさるくらいの長さに決め、上前幅を決めます。
裾を平行に保ちながら、左手を右の脇へもっていきます。上前の衿先が右の腰骨に1cmほどかぶるくらいが目安です。
上前幅がずれないように上前をいったん開き、下前を差し入れて、褄先(つまさき)を10cmくらい上げます。
浴衣の着方③ 腰紐を結ぶ
上前幅と下前幅を決めたら、上前をかぶせて、上前の褄先(角)を床から5cmほど上げます。
腰紐の中央をとり、腰紐をウエストの位置で前から後ろに紐を回して交差させたら後ろで一度引き締めます。前に回し、結びます。
腰紐の結び方は、片蝶々結びやリボン結びなど自分の結びやすい方法で大丈夫です。腰紐の余った部分は、胴の腰紐に挟んでおきましょう。
浴衣の着方④ おはしょりを整える
ウエスト部分の余った生地が二重になった部分を「おはしょり」といいます。脇にあいている穴、身八つ口(みやつくち)から手を入れ、後ろ身頃のおはしょりを整えます。
次に衣紋(えもん)を抜きましょう。衣紋は、首の後ろの衿を指3本〜拳一つ分、隙間をあけます。
前身頃も同様におはしょりを整えます。このとき、腰紐に余分な浴衣が挟まっていないか確認します。
浴衣の着方⑤ 衿合わせを整える
左手は身八つ口の中から下前の衿を引いて整えます。左手で胸元を押さえて上前の衿も整えます。
上前の衿と下前の衿が合わさるところは、鎖骨の間(のどのくぼみ)のあたりが目安になります。
今回は最低限の着方として、腰紐1本の着付けを紹介しました。基本の浴衣の着付けでは、衿が崩れないようにもう1本腰紐を使います。腰紐がない場合は伊達締めを使ってください。
これで浴衣の着付けの完成です!衿元が崩れないように、帯を結びましょう。
\腰紐2本で浴衣を着る方法/
☆腰紐の代用アイテム
最近では、腰紐の代わりにウエストベルトやコーリンベルトという便利アイテムを使う着方もあります。
そのほかに、腰紐をわざわざ購入したくないという場合には、腰紐の代わりになるものとしてストッキング(薄手のタイツ)を切ったものや伸縮包帯などがあげられます。
個人的には、ビニールひもは食い込みが痛く、滑りやすいのであまりおすすめしません…
また、私のひいおばあちゃんは、手ぬぐいを縫い合わせて腰紐にしていました。腰紐自体、100円〜500円で買えますが、家にない方は参考にしてみてくださいね。
ストッキングを腰紐にする方法
ストッキングの足の付け根部分で切ることで、2本分の腰紐の代用になります!伸縮性があるので、緊急時に100均で買うこともできるのでおすすめです。
浴衣の着こなしチェックポイント
浴衣を着たら、美しい着姿になっているかチェックしてみましょう。
浴衣の着付け〜簡単な帯結び2パターン〜
浴衣を着たら、好きな帯を結びましょう!浴衣には、半幅帯や兵児帯がおすすめです。
初めての浴衣の着付けでも簡単な帯結びの動画を2つ紹介します!
半幅帯の「カルタ結び」
カルタ結びは初心者でも簡単に結ぶことができ、ぺたんこなので楽ちんな帯結び。
半幅帯の簡単「貝の口結び」
貝の口はシンプルな帯結びで、大人っぽい女性にもおすすめ!
【まとめ】腰紐1本で初心者でも簡単きれいに浴衣を着られる!
今日は、着物初心者さんように、最低限のアイテムで簡単に浴衣を着る方法をご紹介しました。
浴衣の着方は、あまり難しく考えずに気軽に挑戦してみてください。美しいとされる着姿にはいくつかポイントがあります。慣れてきたら着付けのときから意識できるといいですね。
暑い夏に涼しげな浴衣姿の女性は人の視線を集めます。お気に入りの浴衣をすっきり着こなして、この夏のイベントを楽しんでください!
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