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伊達締め(だてじめ)とは?役割・使い方・選び方をやさしく解説

着物の基礎知識

着物の着付けでよく耳にする「伊達締め(だてじめ)」。名前は聞いたことがあっても、どんな役割があるのか、どう使うのかは意外と知られていないかもしれません。

この記事では、伊達締めの基本的な役割や使い方、選び方のポイントまで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 着物をこれから着てみたい初心者の方
  • 伊達締めと他の着付け小物との違いを知りたい方
  • おしゃれで実用的な伊達締めを探している方

伊達締めとは?

まずは、「伊達締めって何?」という基本からご説明します。どんな場面で使うのか、どんな役割を担っているのかを見ていきましょう。

伊達締めの役割

伊達締めは、着物や長襦袢(ながじゅばん)の胸元を押さえ、着崩れを防ぐために使う和装小物です。直接肌に触れるわけではなく、肌着や襦袢の上から巻いて使います。

特に胸元が浮きやすい長襦袢や着物を、すっきりと美しく整えるのに欠かせない存在。シワを伸ばし、布をしっかり固定してくれることで、着姿の完成度がグッと高まります。

ほかの着付け小物との違い

一見似たような役割に思える帯や腰紐とは、用途も見える位置も異なります。

腰紐(こしひも)との違い

腰紐は、襦袢や着物をしっかり身体に固定するための基本アイテム。主に「結ぶ」ことで形を整えます。

伊達締めは、その上から布を整えたり抑えたりする「仕上げ」の役割。すべりにくい素材で巻いておくことで、着崩れを防ぎます。

帯との違い

は着物の上から装飾的に結ぶ、いわば「主役」。見える部分に使うため、見た目や格式も重要です。

伊達締めは、帯の下でこっそり着姿を支える「裏方」。見せるものではなく、着物を美しく仕上げるためのサポートアイテムです。

帯締め(おびじめ)との違い

帯締めは、帯の中央に飾りとして締めるひも。帯を固定しながら、全体のコーディネートを引き締める役割もあります。

一方で伊達締めは、帯よりも内側に使用し、直接見えない位置で着物や襦袢の形を整えるアイテム。素材も太さもまったく異なります。

伊達締めの使い方

マジックベルトタイプの伊達締め

次に、実際の使い方を見ていきましょう。長襦袢や着物のどのタイミングで使うのか、初心者の方でもわかりやすいようにご紹介します。

長襦袢に使う場合

長襦袢の上にポリエステルの伊達締め

長襦袢を着たあとに、胸元から下の位置に伊達締めを巻いて固定します。これにより、襦袢がずれにくくなり、着物の下地が美しく整います。

腰紐で一度固定した後、伊達締めでさらに整えるのが一般的な順番です。

着物に使う場合

着物の上にシャーリング伊達締め

着物を着たあとにも伊達締めを使います。こちらも、上前と下前(着物の重なり部分)を整え、シワや浮きを防ぐ目的です。

この一手間があることで、帯を巻いたときに布が崩れにくくなり、すっきりとしたシルエットが完成します。

伊達締めの種類と選び方

「伊達締め」とひと口に言っても、素材や形にはいくつかのバリエーションがあります。どれを選べばいいのか迷ったときの参考にどうぞ。

素材の違い(正絹・ポリエステル・マジックテープ付きなど)

伊達締めには、いくつかの素材や形があります。

正絹(しょうけん)タイプ

正絹は、絹100%でできた伝統的な素材。すべりにくく、ぴったりフィットしやすいため、着姿を美しく保ちやすいのが特長です。博多織の伊達締めも多く、見た目も上品で、フォーマルな場面や正統派な装いにぴったりです。

ポリエステルタイプ

扱いやすさとお手頃価格で人気なのが、ポリエステル製の伊達締め。軽くて丈夫、汚れても洗いやすいのが魅力です。カラフルな色柄も多く、気軽に取り入れられます。

マジックテープ付きタイプ

初心者さんに特に人気なのが、マジックベルト式の伊達締めです。結ぶ手間がなく、簡単にピタッと留められるため、着付けのハードルがぐっと下がります。

おすすめの選び方

初心者さんには、伸縮性のある素材やマジックベルトタイプがおすすめ。着付けが苦手な方でも簡単に巻けて、ズレにくいのが魅力です。

慣れてきたら、着姿をより美しく整える正絹素材などにもチャレンジしてみるのもよいでしょう。

伊達締めの代用アイテムはある?

「急に必要になったけど、伊達締めが手元にない…」というときのために、代用品として使えるアイテムもご紹介します。

さらしやストレッチ素材の布

「伊達締めが手元にない!」というときは、幅広のさらし布やストレッチ素材の布で代用することもできます。例えば、ドラッグストアや100均にもある、腰痛サポーターや布ベルトなども活用できます。

ただし、滑りやすい素材だとしっかり留まらなかったり、締め付け具合が安定しなかったりするため、注意が必要です。

そして、大きな声ではいえませんが、浴衣であれば最悪伊達締めなしでもなんとかなります。腰紐と帯だけで、それっぽい着こなしは可能です。

しかし、長時間きれいな着付けを保ちたいなら、伊達締めを使った方がいいでしょう。

コーリンベルト+伊達締めの便利アイテム

一般的な伊達締めは帯状の布ですが、最近ではクリップ付きのコーリンベルトと合体したタイプが登場しています。
これなら、長襦袢や着物の衿元を留めながら、同時に押さえて固定できるので、一石二鳥の使い勝手です。

まとめ|伊達締めは美しい着姿を支える名脇役

伊達締めは、目立つアイテムではありませんが、着物の着姿を美しく整えるうえでとても重要な小物です。
しっかりと固定し、着崩れを防ぎながらも、体への負担が少ない点も魅力です。

まずは使いやすい素材のものから取り入れてみて、着物時間をもっと快適に楽しんでみてくださいね。

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